ラストシーン

買い取りや下取りなどでお客さんのカメラやレンズを査定し、売買取引が成立する。
精算がすべて終了したあと、そのお客さんの取る行動がなかなか興味深い。新しめの
デジカメを買い替えるケースだと、大半は売った品物には目もくれないで、その場を
去っていく。ところが、長く使っていたであろうマニュアル機や、おそらくはかなり
愛着があると思われる機材を売っていただいたケースだと、携帯を使い売られていく
瞬間を記録に残したり、去り際にさりげなく、カウンターに置かれたすべての機材を
手で触れていったりすることがある。手放すにはそれぞれ様々な理由があるだろう。
名残惜しかったり、心のなかで礼を言ったり、「次もいい人に使ってもらえよ」など
何か語ってたりするのかもしれない。カメラを買い取るという単純作業ではあるが、
そこには確実に、ドラマがある。例えば形見の品物を売りに来ていただいた場合は、
故人の思い出を手放すことになるわけで、様々な感情があるだろう。淡々としている
こともあれば、そこでまた思い出に浸るということもある。いただいた機材は包んで
専用の袋に入れ、別の場所に運ぶ。忙しいとどうしても急ぐことになるが、せめて、
こういう最後のコミュニケーションの時間を設けてもいいのではないか、と感じる。

使いはかなり荒いけれど、ウチにやってきた機材は少なくとも幸せだと思っている。
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AB (1D MarkⅡ/Ai-s Nikkor ED 600mmf5.6)
by keiji_takayama | 2010-03-14 23:45 | 千葉市動物公園

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama