さて、次は第9回。
山仁(八歳/大阪)とドッコイ丸(五歳/平島)の一戦です。
この前の取組、羽黒山-薬師大力戦で勢子が1人額を切りました。
そのため、取組の前に再度の清め直しが行われました。

さて、この一番。通のお客様が楽しみにしていた取組だそうです。
MCの松田さん、言葉にも力が入っていました。
闘牛会としても、ひじょうに注目しているそうです。まさに好取組。
先に入ってきたのがドッコイ丸。これだけで客席がどよめきました。
このドッコイ丸はまだ若い牛ですが、とても厳しい戦いをするそうです。
柵際で観戦しているお客さんには、十分注意してくださいとアナウンス。
ドッコイ丸は唸り声を出し、前掻き、地面を掘る仕草の3点セット。
「さぁ、オレの相手はどっからでもかかってこい ! 」気合満点です。
ホントにずっと唸ってます。こりゃすごい。やる気の塊みたい。
そして、後から山仁が入場。赤牛が山仁、黒牛がドッコイ丸。
ウォーゥゥーと唸り声が響く中、さぁ取組開始です。

まずは双方が、どうやって頭を合わせていこうかと考えます。
ファーストコンタクトで、お互いがお互いの力をもう解っています。
「この相手には全力を出さないといけないんだ」そういう意識ですね。
そして攻防。双方が主導権を、先に仕掛けて握りたい。
勢子の声もだんだん大きくなっていきます。
迂闊に頭を合わせに行くと、シュッと飛び込まれる。それを警戒します。
まずは山仁が飛び込んで仕掛ける、それをドッコイ丸が前足を折りながら、
頭を低くして受けます。次はドッコイ丸の仕掛けてくるところを、山仁が
切り返しを狙う。続いて山仁が入る。ドッコイ丸は落ち着いて受けます。
続いて動きがあり、場内が大きく盛り上がります。シャッター音も(笑)
どうやら山仁が入り、ドッコイ丸が返したようです。
この攻防で、ドッコイ丸が声を出しました。
牛の習性で、前足の付け根の所に角が入ると声が出てしまうそうです。
つまり、山仁がそれだけ厳しい攻めを見せたことになります。
さあ、勢子の声がいっそう大きくなってきました。
その後、牛は分けられましたが、どっちだろう、ずっと唸っていました。

《写真の密着》
穴掘りのところから写真が始まります。ドッコイ丸の角、細く尖っています。
これで突かれたら相当に痛いのではないか、そんなことを思いました。
一方の山仁。こちらのほうは角がでかくてぶっといです。
これを振り回されて当たったら、強烈な痛さなんでしょうね。。。
組む前のドッコイ丸の表情、威嚇した時のトラのようでした。
のっけから激しい当たりの攻防です。角が絡み合っています。
ただ、角のリーチはドッコイ丸がやや長いようで、的確に当てています。
続いては双方頭を合わせますが、山仁の角が太いため、ドッコイ丸の目元が
完全に隠れてしまいます。そして、今度はドッコイ丸の角が山仁にヒット。
で、ここから先の20コマがすべてピンボケでした。どこにも合ってない。
何故こんなことになっているのか、どうしてしまったのでしょう。
ちょっと謎な展開でした。幸いまた元に戻ったので事なきを得たのですが。
そして、どういう経緯でそうなったのかが不明なのですが、山仁が横から
ドッコイ丸の体に突進しているシーンがありました。これは厳しいです。
さすがにこの場面、ドッコイ丸の表情が変わっていました。
その後は押されて、宙に浮きそうになっています。目線が勢子に注がれて、
「ちょっとこれはヤバイぞ」そんなふうにも取れる一瞬でしたね。
ピンチを逃れ、場所と体勢を変えて再度対決という感じでしたが、
ここでも山仁が横からの攻め。このあたりは場数の差なんでしょうか、
山仁がリズムを掴んだような流れでした。しかし、これで終わってません。
勢子が分ける直前、ドッコイ丸が山仁の額に角をヒットさせていました。
分けられたあと、ずっと唸っていたのは山仁だったのかもしれません。
年の差に臆せず、やられたらやり返す。肝の据わったドッコイ丸でした。

※記事を作成するにあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
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↑ドッコイ丸の攻撃。山仁の表情もさすがに「うっ」という感じです。
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↑これ、闘っています。角で丸を作る、というほのぼのしたシーンではないですよ。
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↑ドッコイ丸の角は山仁に当たっています。
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↑こちらも、ドッコイ丸の角が山仁にヒット。さすがにこれは痛そうです。
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↑ドッコイ丸の表情、すごい迫力です。山仁がちょっと浮いてますね。
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↑まさに正面衝突。マンガじゃないけど、目の周りには星が舞っている ?
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↑ポーカーフェイスなんですが、山仁の角が眉間に刺さってるよ。。。
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↑頭を付けての体当たり。これ、やっぱり相当に厳しい攻めなんでしょうね。
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↑ハイライトシーン。横になったドッコイ丸に、山仁が突入していきます。
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↑そして、見事に角をヒットさせました。ドッコイ丸の表情から厳しさが消えました。
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↑山仁、リズムを掴んだか。場所を変えても横から攻めてました。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM )
# by keiji_takayama | 2019-07-23 00:15 | 山古志闘牛場 | Comments(0)
第8回は、羽黒山(八歳/大久保)と薬師大力(五歳/中野)の一戦。
前の取組のザワザワ感がやや残る闘牛場。MCの松田さんが語ります。

牛の角突きは、牛同士の闘いだけではなく、牛と人間の戦いでもあります。
私も40年ほど牛の角突きに関わっていますが、大きな怪我を理由にして、
辞めた勢子はいないはずです。少し解りにくいところかもしれませんが、
それだけ角突きには大きな、大きな魅力があります。たとえ自分が怪我を
しても、それでも牛と一緒になって、この闘牛場の中で角突きを見て、
最後は引き分けに入る。これは勢子にとっては大きな勲章になるわけです。

さあ、薬師大力がまず入場。おそらく元気に入ってきたのでしょう。
場内がどよめきました。そして後から地響きのような唸り声を出して、
そして、後から羽黒山が入場。双方が相手を威嚇して声を出しています。
「今日はいい角突きをして、戦いを有利に進めるんだ ! 」そんな気迫が
溢れているようです。始まるまでずっと、唸り声が聞こえてきました。

さぁ、取組開始。勢子たちの掛け声がいっせいに聞こえてきます。
瞬間的に羽黒山が仕掛けようとして、それを薬師大力が受け止めます。
次は薬師大力が左角で掛けますが、それが外れると羽黒山は仕掛けたい。
羽黒山、右角の掛け技から前に出る。これが外れると薬師大力が左で返す。
「おおーっ」と客席から声が挙がります。一進一退の攻防なのでしょう。
今日は先輩の羽黒山がなかなか厳しい攻めを見せます。これを薬師大力が
凌いで凌いで、どこかで自分が飛び込む、そんな隙を狙っています。
羽黒山の右角、薬師大力の左角の攻防は、どちらが相手の角の下に自分の
角を入れることができるか、見応えがあります。薬師大力の角が外れると、
羽黒山が切り返す。「よしたー」「はいはいはい」の声が響きます。
双方が下に角を入れて出ますが、外れると切り返す。これがとても早い。
勢子の掛け声、牛の唸り声、そして走る音。臨場感がすごいです。
場内がざわめきと勢子の声だけになり、女性の「よし、ホッとした〜」の声。
そして、場内は大きな拍手に包まれました。
双方の牛持ち同士は「ありがとうございました」と気持ちの良い挨拶をして、
でも牛はそれぞれ相手を見て目を離しません。これでとても大事な習俗です。
こうして牛に「この次は負けないぞ」という意地や根性が生まれるのです。
牛のお腹が大きく波打ってます。一生懸命頑張ったのがよく解ります。
ここで拍手が沸き起こりました。

《写真の密着》
うわわ、どっちがどっちか判別が難しい。。。
手がかりを探してはみるものの、角の形もけっこう似ているような(笑)
ただ、写真を見ていたら何となく解ってきました。
首あたりの毛に違いがありますね。片方はもじゃもじゃです。
で、取組開始直後にまずは羽黒山が仕掛けているんですね。
それを相手の牛が受け止めているカットが確かにありました。
ということは。。。もじゃもじゃが羽黒山、ということになるのかな。
そこで先場所、角栄号との一戦の写真を確認してみました。
たぶん間違いないと思います(笑)
それにしてもこの羽黒山、闘っている時の表情がカッコいいですね。
加えて、この「もじゃ毛」が良い演出をしていると思うのです。
しかし、薬師大力だって負けてはいません。
真剣な表情で羽黒山に向かっています。そして、羽黒山の攻撃に耐え
「オレが攻めてるのに ! やるなお前 ! 」そんな顔をしている羽黒山の
カットがありました。それにしても、撮った枚数がとても多い。。。
引き分けになるまで一進一退の攻防が続き、写真を見ているだけでも
見応えがありました。近くで見たら、とんでもない迫力でしょうね。

※記事を作成するにあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
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↑羽黒山に押される薬師大力。「わっ、やべぇ ! 」みたいな表情を浮かべています。
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↑撮影1コマめのカット。羽黒山が仕掛けようとして、薬師大力が受け止めます。
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↑薬師大力が左角で掛けているシーン。
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↑相撲で言うなら「土俵上で組み合った」ところでしょうか。
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↑睨み合いと探り合い。
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↑薬師大力、目の前にある大きな角を目にしてビックリの図。
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↑若い薬師大力にとっては、いい勉強の場になりそうです。
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↑「お前、若いのになかなかやるじゃねぇか。」そんな表情の羽黒山。
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↑それにしても、角がでかい。
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↑ならば上から。勇敢な薬師大力です。
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↑あっ ! 薬師大力の目元に羽黒山の角が ! 間一髪のシーンでした。
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↑それぞれの表情に気持ちが出ているような。
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↑先輩に突進する薬師大力。元気いっぱいでした。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM )
# by keiji_takayama | 2019-07-22 00:48 | 山古志闘牛場 | Comments(0)
続いての第七回。一颯(九歳/八王子)と、龍勢(五歳/秩父)の対戦です。

先に入ってきた龍勢。この名前は、秩父の花火から取っています。
牛持ちの方は、もともと山古志で長く写真を撮っていたそうです。
そこから牛持ちになられて、現在では勢子も務めています。
後から入場は一颯。ただ、牛持ちの方は来場されていません。
本業の建設業がとても忙しいそうです。そうですオリンピック前。
現在は追い込みの時期に入っているとのことでした。
黒牛が一颯、赤牛が龍勢です。わかりやすくていいですね(笑)

さぁ、取組開始。
先輩の一颯の胸を、若い龍勢が借りるという展開です。
この龍勢と第二回で取組を行った三太夫は、北海道から導入しました。
昔は小さかったのですが、素晴らしい牛に成長してきました。
最初に仕掛けたのは先輩の一颯。これに対して龍勢は、頭を低く下げて、
前足を踏ん張って、攻めを受けます。勢子の掛け声も賑やかです。
(シャッター音も賑やかです。けっこう撮ってるみたい。)
龍勢はまず掛け技、自分の角を一颯の角の下に入れて仕掛けようとします。
しかし掛け技に入った時に一颯が、下側に曲がった自らの角を使い上から、
まるで大相撲の小手投げを打つように角を振ります。そして龍勢が怯むと、
逆に一颯が角を下から跳ね上げて出て行きます。これは動画で見たいなぁ。
そして双方、仕掛けたいのに仕掛けられない、そんな状況になります。
無理矢理攻撃を仕掛けると相手に隙を与える、牛がそれを解っています。
少しずつ間を詰めながら、どうやったら自分が有利に仕掛けられるのか、
一生懸命それを考えます。じわりじわりと、龍勢が押し込もうとします。
これを一颯が返していく。ここで大盛り上がりになりました。
しかし両牛が興奮したこともあり、場内には大声や悲鳴が飛び交いました。
複数の勢子が転がされてしまったのです。幸い症状は軽いとのことでしたが、
取組の後には、場内に塩を蒔いて清め直しが行われました。

《写真の密着》
取組以外のカットが割と多めだったので、今回もかなり撮ってました。
そして何故か、絞りが全く意図していない値になっていて、途中でそれに
気付くまでのカットをロスしました。知らないうちに回したようです。
けっこういいシーンもあったのですが、ダメなものはダメ。残念でした。
一颯がやる気満々で攻撃しているように感じました。龍勢は冷静に戦況を
考えているようです。と思ったら、龍勢の攻撃が始まりました。
頭を付けて、一颯のことを下から睨み付けています。
当初はかなりボツが多くなるだろうと思っていたのですが、予想していた
ほど悪くはなく、助かっているケースもいくつかありました。おそらくは、
今回使ったレンズの手ブレ補正が効いたからでしょう。これは良かった。
最後は龍勢が一颯の攻撃を食らったタイミングで勢子が止めに入ったので、
まだまだやりたいと思ったのでしょうか。それに一颯も応じたのかなと。
止めようとした勢子を振り倒し、そのまま乗り上げたように見えました。
写真で見ると、間一髪で直撃は免れたようですが、ヒヤヒヤのシーンでした。

※記事を作成するにあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
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↑一颯の攻撃がキマッた瞬間。目の表情にも気合いが入っています。
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↑スタートはこんな感じで、妙な形になっていましたが。。。
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↑一颯は若い力で突進してきます。
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↑ガッチリ組んだところ。
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↑龍勢の表情も引き締まってきました。
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↑まさにガチンコ勝負。一颯の頭突きは強烈です。
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↑今度は龍勢が押し込む番です。
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↑龍勢、何か考えているようです。
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↑一颯の角。刀のような鋭さがあります。
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↑お互いの目が充血してきました。
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↑龍勢の角がガッチリ決まっています。
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↑痛そうだ。。。
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↑赤と黒の力比べ。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM )
# by keiji_takayama | 2019-07-21 01:03 | 山古志闘牛場 | Comments(0)

日頃は都内中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園で撮影活動。動物たちの表情を追い続け13年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama
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