拍手が起きました。まずは山闘の入場です。
黒い毛に白い毛が混じる、粕毛牛(かすげうし)です。
後から斬鉄が入りました。
両牛とも気合十分、まま掘りと前掻きを繰り返しています。
この取組の見どころは、それぞれの角の使い方です。
相手の額を傷めつけるような角捌きを、双方が見せてくれるはずです。
ちょっと見分けにくいですが、鼻に緑の輪があるほうが斬鉄です。
頭を合わせて、取組開始 !
早々に、角のぶつかる音が複数回聞こえてきました。
まずは山闘が左角で一発。
ドンッ、ドンッ、ドンッ。角がぶつかる音。山闘、角を振ってきます。
これに対して斬鉄、頭を下げます。
山闘の振った角が外れたその一瞬を狙っているようです。
角と角のぶつかる音、また聞こえてきます。ボールを蹴る音に近い。
これだけ角をぶつけ合うと、折れてしまうケースもあります。
折れ方が悪いと、そのまま牛が引退に追い込まれてしまうことも。
それでも、最大の武器である角を使い、どうやって相手を傷めようか、
攻め込もうかと考えます。鼻が地面に付きそうなくらい、頭を下げます。
相手の角をできるだけもらわない、でも自分の角はできるだけ使いたい。
山闘は角を振ります、音も聞こえてきます。
この角が外れるところ、斬鉄は飛び込もうとします。山闘は頭を下げる。
斬鉄は山闘が出てこなければ、逆に下から角を使おうとします。
あっ、斬鉄が入った ! ここで山闘がちょっと押し込まれました。
客席も盛り上がります。しかし山闘、ここは落ち着いて首を使って返す。
ドンッ、カンッ。今度は逆に斬鉄が、右角を一発二発と使います。
今度は逆に山闘が仕掛ける !
しかし斬鉄、首を返すようにして横に回るのを防ぎました。
山闘は前に出る ! しかし斬鉄がそれを逆に押し返し、前に出ました。
客席も大盛り上がりです。
ここで勢子が鼻を取り、両牛を分けました。引き分けです。
鼻を取られはしましたが、山闘はまだ向かって行くような素振り。
山闘は足を配るとき、一本が自分の思っていた位置に行けませんでした。
体のパランスを崩したその一瞬を、すかさず斬鉄が押し込んだのです。
足を配る場所が一箇所異なるだけで、展開が大きく変わってしまう。
そのくらい牛同士は鎬を削り、闘っているのです。
頑張った両牛に、大きな拍手が送られました。
山闘、斬鉄の順に引き上げ。とても見応えのある一番でした。
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※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
↑左、斬鉄。右、山闘。最初から最後までド突き合い。見応えのある一番でした。
↑まずは山闘が左から一発。「おっ、やったな ? 」な表情を見せる斬鉄。
↑目を少し赤くした斬鉄、山闘に一発。山闘は平然とした感じです。
↑今度は右の山闘が斬鉄に一発。目線がとても鋭いです。
↑今度は斬鉄が頭突き+角攻撃。これには山闘も表情を変えました。
↑角を交錯させて、相手を攻めようとする両牛。角のぶつかる音が響きました。
↑激しくぶつかるシーンでは、泥が弾け飛びます。気合十分、いい表情ですね。
↑位置がかわって、右に斬鉄。角を絡ませて、相手の動きを注視します。
↑中央付近で角を振って、組み合う展開に。音と息づかいが聞こえてきます。
↑ぶつかる瞬間は砂埃も舞います。 これを繰り返すのですから、牛はタフです。
↑再び斬鉄が左側になりました。頭からぶつかっていきます。根性もあり。
↑目の周りが充血して赤くなった斬鉄。角の攻防は続きます。
↑上から睨み付けるような斬鉄の表情。この瞬間にも角は絡み合います。
↑終盤になりましたが、まだまだこんなシーンが。「オマエには絶対負けない ! 」
↑押し込んだ山闘を、逆に斬鉄が押し返すシーン。意外な展開になりました。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)