籠もり作業の記憶

出勤してから割とすぐの段階で、別室にて単独作業をしていた。
商品の値段を決める作業だが、ラベラーで値札をつけていく。
ある意味では単純作業なのだけど、けっこう集中力が必要になる。
このような、「1人だけで何かをする」仕事はけっこう好きだ。

やっていると、思い出すことがある。
もう28年も前の話だが、浅草ビューホテル写真室に勤務していた頃。
成人式にはとんでもない数の撮影が入り、それが終わってしばらくすると、
夥しい枚数の写真と格闘することになる。写真の仕上げ作業だ。
プリントの修正をしてから台紙に貼るのだが、これがけっこう時間もかかる。
撮影といっても1人1枚ではない。たいていが数ポーズを撮って、見開きの
台紙に貼るプランを選択するからだ。最低でも3種類の写真になる。

本来ならこの作業は2人で当たる予定だったのだが、直前に先輩社員が職場長と
対立して辞めてしまった。入社して1年も経たないのに、すべての仕上げを行うことに
なったのだ。これはさすがにしんどかった。朝から晩までスタジオに籠もって、ひたすら
写真を眺めている毎日。それがしばらく続いたのである。
あまりに腹が立って、帰りに回転寿司を30皿食べた。これが過去最高枚数なのだ。
でも、今にして思うと、仕事をしているという実感があった。

籠もって作業をするとき、必ずこのことを思い出す。
あの頃必死で仕上げた写真は、いまどうしているのだろう。
時々ふと、そんなことを考える。
by keiji_takayama | 2017-09-20 23:48 | Comments(0)

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け20年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama
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