なぜなら関東圏の動物園で多く飼育されているので、そちらで撮れる、
という考えがあったからだ。なので、眺めつつそのまま通り過ぎようと
していた。ところが、背景に桜の木が見えたので、立ち止まることに。
王子動物園では、たくさんの桜を見ることができた。桜の木と一緒に、
写真を撮ることもかなり多くの動物で可能である。そのため、背景には
目が向いていた。どんな形でもいいので、桜と撮りたいと思っていた。
シマウマもそうなら話は別なので、とりあえずはカメラを向けてみた。
すると、手前にある大きな柵に阻まれてしまう。逆の意味になるけど、
ちょうどいい位置に柵がど〜んとあるため、角度が合わない。しばらく
どうにかならないかと様子を伺っていたが、可能性はないと判断した。
ちょっと残念ではあったが仕方がない。せっかくなので見ていくことに
決めて、立っていた場所と反対側に行ってみた。ここでは親子と子供が
暮らしていて、母子は隣の部屋で一緒。お父さんが別のところにいる。
どうやら、前にいるのはお父さんのようだ。近くで見ると、でっかい。
名前は「凪斗(ナギト)くん」という。雰囲気にピッタリだった。
反対側からどうにかして桜と一緒に撮りたい、というこちらの思惑を
知ってか知らずか、凪斗くんは飄々と食事を進めていた。美味しそうだ。
カメラを構えてファインダーを覗いたら、ほぼ顔しか映っていなかった。
35mm換算だと600mm相当の画角になるので、これはまあ仕方ないか。
などと思いつつ、「ちょっと大きすぎるかもしれない」という躊躇が少し
残っていた。因みに、オリンパスOM-D E-M1のファインダー視野率は
約100%と表記されている。「100%」ではない。ということは、きっと
多少は広く撮影できることになる。そうすれば少しはマシになるだろう、
そう考え、そのままチャンスを待つことにした。やがて、口元を歪めて
「イヒ ! 」みたいな表情を見せてくれた。背景に緑を入れたのは正解。
やや春めいた暖かな、それでいて日差しも感じられるカットになった。
(OM-D E-M1/M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO)