CP+2016 肖像権セミナー②

肖像権セミナーの解説は、作例を用いて進められた。
スマートフォンで撮った手軽な写真であっても、そこにはマナーやルールを
知る必要がある。そこで、例をいくつか挙げて注意点などがまとめられた。

・目的やテーマを持って撮っているか、興味本位ではないか
・撮られる人の立場に立って考える。不愉快に感じられる時は撮らない
・もし注意されたら、撮影意図や目的、自分の考えを明快に答えられるか

スナップ写真は特に気をつけなければならない。離れて撮影するのではなく
すぐそばで見て撮影することによって、主題がハッキリしてくるからだ。
そのような時には、撮影理由、意図を説明して詫びることも大切である。

・失礼を詫びることを恐れない
・礼儀が大切
・隠れたり逃げたりせず正々堂々と撮影すること
・撮影したら「ありがとう」と言うくらいの余裕が必要→被写体との信頼関係

「1人の不注意が他人の迷惑になることを、肝に銘じる」と仰っていた。
そして、作品には「魅力」と「品格」が必要であるとも。

・人はみだりに顔を撮影されない権利、撮影拒絶権をもっている
・加えて勝手に利用されない権利、利用拒絶権も有す
つまり、肖像本人からの許諾が必要になるわけだ。

では、その許諾はどのようにして取るべきか。

・撮影前に「撮影目的」「使用目的」を説明する。(文書が望ましい)
これが最も適切だが、なかなかそうもいかないこともあるだろう。
だからといって、トラブルが起きてからでは遅いのである。

・会釈等で暗黙の許諾が得られたとしても、勝手に解釈しない
・コンテストなどで写真を使用するなら、さらに注意する
・未成年はたとえ本人が「いいよ」と答えても無効→保護者の許諾が必要
・断られたら即座に撮影をやめる
・長々と構えずに、ササッと撮影を終らせる
・撮影しているという態度を明確にする。そしてきちんと説明できるように

これからは、撮る側のモラルがいかに大切か、が問われるようになる。
写される人との良好な関係を得て、写真を撮らせてもらえるためにも。

このような流れで話が進み、2時間ほどの時間が過ぎた。
これらに加えて、コンテストに応募する際の注意点、著作権についての
話もあり、興味深かった。質疑応答でも活発な質問がいくつか飛んでいた。

CP+といえばカメラや機材を触るイベントと捉えられるが、こういった
セミナーはこの場でしか開催されないものであり、貴重な機会であった。
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(OM-D E-M1/M.ズイコーデジタル300mmF4 IS PRO)
by keiji_takayama | 2016-02-29 07:43 | 多摩動物公園 | Comments(0)

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け20年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama
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