D600の話

撮影した写真に黒い点のようなものが写り込む、所謂「黒点問題」が派生し、
イメージを損ねてしまった感のあるニコンD600。日本国内でも、この問題は
ユーザーから指摘されていた。それが今回大きくクローズアップされたのは、
中国で販売停止の措置が取られたことも理由の1つであろう。中国でも問題視
されていたようだが、ニコンはこの原因を大気汚染と判断、返品や交換などを
断っていたらしい。ニュースで見たのだが、もともと中国では、ある不具合に
対して修理を2回行っても改善されない場合、交換に応じなければいけないと
決められているという。だとすれば、大気汚染のせいにしてしまったニコンの
カメラが販売停止になるのも仕方ないというところか。ところが、同じ問題が
米国でも発生。このケースではD600をD610に無料交換する対応が取られ、
それが批判をさらに強める結果となってしまった。ユーザーの怒りも当然だ。

これを受けて28日、中国でも2回以上の修理記録があるユーザーを対象に、
D610への無償交換に応じるという解決策を発表した。日本国内でも「清掃や
関連部品の交換を複数回実施しても改善されない場合、同一製品か同等製品に
無償交換を行う」と発表された。これは全世界で対応する。D600は国内外に
約27万台が出荷されている。時間もかかるだろうし、打撃も大きいだろう。

今年1月の段階では、D600とD700は相場の水準が全く同じになっていた。
D700は横這いで推移しているものの、D600が下落したのが理由だ 。そして
これが3月になってどう変化したのかというと、D700はまだ横這いだった。
良品は11万5500円のままだ。一方、D600はというと、10万1850円。
1万3650円も安くなってしまったのである。そしてなぜか流通量が少ない。
ニコンの対応が発表になり、今後はひとまずD610への交換を求める消費者が
増えてくると思われる。となると、数はさらに減る。そこで価格がどうなるか
なかなか興味深いところだ。交換してくれるのは確かにありがたいと思うが、
なぜそうなってしまったのか、原因を追求して次に役立ててほしいと感じる。
D600の話_b0016600_7354895.jpg

AB− (OM-D E-M5/FD500mmf4.5L)
by keiji_takayama | 2014-03-29 07:36 | ズーラシア | Comments(0)

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け20年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31