作例写真を交え、7つのテクニックを紹介しているのだ。これをきっちり頭に入れれば
現場でそう戸惑うこともないと思う。あと3つ付け加えるとすれば、何を、そしてどう
撮りたいのかという主題をハッキリもつことだ。手持ち機材と相談することになるが、
複数が絡んでいるところや全体像、動物が生活している風景、そしてここに載せている
ようなポートレート、表情系など。動物園写真と一口に言っても考え方は様々である。
狙ってみたいシーンを決めて、まずは撮りに行く。機材の選択はそれからでも十分だ。
園によって条件がすべて異なる、これがこのジャンルの難しさだと思う。で、2つめ。
これは諦めも必要ということだ。粘って撮るイメージが強いが、撮らないという決断も
時には必要である。限られた時間でしか撮影のチャンスはないので、どうしてもそれを
押さえたいという明確な目的がない限り、時間のムダを避けて次の作戦を練る。例えば
時間を変えて立ち寄ってみたり、撮影する被写体を変えるということ。案外成功する。
3つめは撮影とはあまり関係ないのだが、画質に対する拘りを捨てる、ということだ。
風景写真とは異なり、動物園の撮影には障害が多い。檻やキレイではないガラス越しに
写真を撮ることもしばしばである。こういう状況で撮れば当然、素通しのときとは全く
違う、画質上は劣った仕上がりになる。現場レベルではそれが正しいのだが、そういう
考え方とは異なり、とにかく解像度の良さしか頭にないユーザーがいる。こうなると、
勝手にあれこれ変えてしまうので、逆に違和感が大きくなってしまう。動物の毛並みが
なんだかヤマアラシの針のように、トゲトゲになっていたりする。明らかにおかしい。
解像度ばかり追求していてもロクなことはない。それと、暗い場所での撮影が多いが、
明るく撮れた!と言って喜んでいるケースがある。暗い場所はあくまでも暗いのであり
写真を撮って明るくなった、なんてことはない。それはつまり露出オーバー、失敗だ。
楽しく撮れればそれでいいよ、という考えはわかるが、それが正しくない場合もある。
AB (7D/NewFD500mmf4.5L)